alphabetica’s diary

アメリカに住んでいます

ELD義務化まで三ヶ月を切り、トラック料金が上昇か

ELD mandateまで三ヶ月を切った。機器の導入はまだ進んでいないという噂もあり、12月18日の実施を前にトラックの確保が活発化しているのか、トラック料金が上昇しているという情報がある。トラック業界からは導入延期の訴えもあったが、議論は終了し予定通り導入されることがほぼ確定している。

 

ELD mandateとは

ELD (Electoronic Logging Device)の導入義務化。これによってドライバーはより厳しく労務管理されることになり、トラック輸送の供給量が減ることが見込まれている。導入プログラムは2018年12月に完全施行となるが、今年(2017年)12月18日以降はこれまで認められていたペーパーでの記録は不可となる。

 

 

メリット

ELD導入の主な目的は輸送安全の確保だ。FMCSA(運輸省連邦自動車運送安全局)の試算によるとELD導入によって年間で562人の負傷者と26人の死者を減らすことができる。ELDによって正確に記録された運転データは、取締官に求められた場合電子的に提出しなければならないため、運転時間のルールを遵守する必要がある。

また、トラック会社としてもELDを使って所属ドライバーの勤務実態をより正確に把握することができるようになる。

 

デメリット

FMCSAの調査によると、ELD機器の購入コストはトラックあたり$165から$832とのことだが、特に小規模のトラック会社にとっては少なくない負担となる。アメリカのトラック業者は9割以上が社員数5人以下の小規模法人というデータもある。

ELDは設置すれば終わりではなく、ドライバーやディスパッチャーなどが機器を正しく使いこなせなければ意味がない。業務システムが新しくなるときの常であるが、記録方法や求められた際のデータ提出方法など十分なトレーニングをする必要がある。これらは当然業務時間内に行う必要があり、間接的に生じるコストとなる。